法律ブログ
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自筆証書遺言とは

2016年2月17日 / 

 自筆証書遺言とは、遺言者が遺言の全文、日付および氏名を自書し、押印して作成する方式の遺言をいいます。
 全文を遺言者が自筆で作成する必要があり、コピーやワープロ打ちでは不可です。押印や日付を欠いても無効になりますし、修正の場合には所定の方法で修正する必要があります。
 
 自筆証書遺言は公正証書遺言とは異なり、遺言書作成手続が面倒ではなく、遺言書作成そのものの費用はかからない点でメリットがあります。

 他方で、自筆証書遺言は厳格に要件が定められており、方式不備で無効になるケースもままあります。

 こういった方式不備で無効になることを防ぐため、弁護士などの専門家の関与を求めつつ、遺言書を作成することが適切であるといえるでしょう。

公正証書遺言とは

2016年2月17日 / 

 公正証書遺言とは、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して公正証書による遺言書を作成する方式の遺言をいいます。

 公正証書遺言は公証人が関与するため方式不備による無効を回避できますし、遺言書が公証人役場で保管されるため、改ざんのおそれがない点でメリットがあるといえます。
 他方で、公証人の立会い、証人が必要であるなど簡単に作成するわけにはいかず、また、別途公証人に支払う費用が必要になる点などがデメリットであるといえるでしょう。

遺産分割協議

2016年2月17日 / 

 遺産分割協議とは、相続人間で遺産の分割方法について話し合うことです。遺言書が存在しない場合、遺産を分けるためには遺産分割協議が必要です。遺産分割協議には相続人の全員が参加しなければならず、一人でも相続人が欠けた遺産分割協議は無効です。
誰が相続人となるか、法的にはどれだけの取得分があるかを認識したうえで話し合いを協議を行うことが妥当です。

 

誰が相続人になるのか

● 子がいる場合は子が相続人となる。
● 子が死亡しており、その子がいる場合はその子が相続人となる。
(代襲相続といいます。この場合の代襲相続は孫、ひ孫へと続きます。)
● 子やその代襲相続人等がいない場合は親が相続人となる。
親がいなくて祖父母がいるときは祖父母が相続人となる。
● 上記による相続人が誰もいない場合は兄弟姉妹が相続人となる。
兄弟姉妹が死亡しており、その子がいる場合はその子が相続人となる。
● 配偶者は常に相続人となる。

 

誰がどれだけ遺産を取得するのか

 誰がどれだけ遺産を取得するかについて、当該相続人が納得する限りは合意で自由に決めて構いませんが、相続分については一応民法に規定があります。
● 子と配偶者が相続人のときは、各2分の1
● 直系尊属(親等)と配偶者が相続人のときは、直系尊属は3分の1、配偶者は3分の2
● 兄弟姉妹と配偶者が相続人のときは、兄弟姉妹は4分の1、配偶者は4分の3

 なお、法的な遺産の取得分を判断するにあたっては、特別受益や寄与分等のさらに細かい事情を考慮する必要があります。詳細は一度専門家に相談することをお勧めします。

遺産分割調停

2016年2月17日 / 

 相続人は家庭裁判所に遺産の分割に関して話し合いをすることを申し立てることができます。これが遺産分割調停です。調停は相手方の住居地を管轄する裁判所に申し立てます。

 調停が開始すると家庭裁判所の調停委員を介して話し合いが進められます。概ね、1か月に1回のペースで裁判所に出頭し、相続人間で話し合いを行います。話し合いは調停委員が相続人から順番にその言い分を聞くという形で行われることが通常で、原則的には相手方と顔を合わせることがないよう配慮してくれます。ただし、近時は毎回の調停終了時に当事者が立会のもと手続の進捗を確認するという運用がなされていることがありますし、調停成立時には原則として当事者全員が同席のうえ合意事項を確認します。

 調停はあくまで話し合いの場なので、話し合いで決着がつかない場合は遺産分割審判に移行し、裁判所が遺産の分割方法を決めます。

 調停で単に自分の言い分を展開するだけでは、調停委員も裁判官も相手にしてくれません。また、調停のなかには調停委員が調停成立を優先させるあまり、法的な検討や整理がおざなりになっている場合もあるようです。弁護士を代理人として、遺産分割の問題について法的観点から緻密な検討を加えつつ調停に臨むことが、自分の利益を守ることになるといえるでしょう。

遺産分割審判

2016年2月17日 / 

 遺産分割協議や遺産分割調停はあくまでも話し合いであるのに対して、遺産分割審判は家庭裁判所が遺産の分割方法を強制的に決めてしまう手続です。
 
 遺産分割調停が成立しなかった場合には遺産分割審判に移行します。
 もっとも、調停を申し立てて審判に移行させるのではなく、いきなり遺産分割審判を申し立てても構わないのですが、そうした場合には「付調停」といって、いったん調停での話し合いを求められることが通常です。

 審判は裁判所の法的判断が示される場ですので、事実関係、証拠関係をきちんと整理したうえで、法的主張を理路整然と展開する必要があります。「言いたいことを言いっ放し」という態度ではいけません。

 家庭裁判所の審判に不服がある場合は、高等裁判所に即時抗告をすることができます。

 

交通事故に遭ったときに何をすべきか

2016年2月16日 / 

 交通事故被害に遭ったとき、被害者とその家族の悩み、心配ごとは多岐にわたります。「これからの生活はどうしよう?」「治療費はどうなるのか」「賠償金はどうなるの?」「加害者の処罰は?」など様々な方面での心配ごとが発生します。

 

 ここでは主に適切な賠償金獲得の観点から、交通事故発生、②入院・通院、③治ゆ・症状固定、④後遺障害等級認定、⑤任意保険会社からの示談案の提示の各時点において、留意しておくことを順に述べたいと思います。
 なお、弁護士が賠償金獲得に向けて具体的に活動するのは③より後の段階になりますが、①から③までの間であっても正当な賠償金の獲得に向けて専門家が助言できることはあります。
 当事務所は①から⑤のいずれの段階での相談も受付けております。

交通事故発生時

2016年2月16日 / 

 交通事故被害にあったら、速やかに警察に申告して下さい。
 場合によっては「警察に申告せず示談しましょう。」「保険が下りないから運転者は別人だったことにして欲しい。」といった申出が加害者からあるかもしれませんが、絶対にこれに応じてはいけません。
 警察への申告は法律上の義務ですし、これを怠ると後々の損害賠償請求に支障が生じることがあります。後者の申出に応じると詐欺罪の共犯として処罰される可能性があります。

 

実況見分の際に気をつけること

 人身事故の場合には事故の当事者を伴い警察官によって実況見分が行われ、実況見分調書が作成されます。この実況見分調書は後々民事訴訟となったときには有力な証拠として取り扱われることになるのですが、なかにはこの実況見分調書が正確に作成されているのか疑わしいケースもあります。
 被害者が実況見分に立ち会うことが可能な場合には、事故発生時のことを正確に警察官に伝えることを心がけ、少なくとも自分の勘違いで事実と異なった調書が作成されることがないように注意する必要があります。

 

客観的証拠の確保

 事故状況に関する当事者の言い分が異なることは、その程度差はあるものの、決して少ないわけではありません。
 特に、死亡事故や被害者が重度の障害を負うなどして、被害者が事故時の話ができない場合において、加害者が一方的に自己に有利なように事故状況を述べているのではないかと思われるケースは深刻です。
 こういった場合、事故状況を正確に再現するために客観的証拠が有力な資料となります。場合によっては、事故現場や事故車両などの写真撮影ができるとよいのですが、これらを証拠となり得るように撮影することは素人では困難なことが多いので、専門家に相談したほうがよいでしょう。

入院・通院時

2016年2月16日 / 

 入院・通院費用は、加害者側の任意保険会社が直接病院に対して支払うのが原則です。もっとも、こういった取り扱いを許容しない病院が一部あります。その場合は、被害者側がいったん病院に支払い、加害者側任意保険会社に請求することになります。
 また、被害者側の過失が大きいと見込まれる場合など任意保険会社が病院への直接払いを行わないことがあります。その場合、被害者が人身傷害保険に加入していれば、その保険会社に病院への直接払いを対応してもらいます。

 

医師への申告

 医師へ症状を申告するときは、痛み、症状、部位などをすべて正確に申告して、カルテに記載してもらうようにして下さい。
 事故から相当期間経過した後にはじめて症状を申告したりすると、後々の裁判などで交通事故との因果関係を争われることがあります。

 

証拠書類の保管

 治療のために使った費用(例:診察代、通院のためのタクシー代)に関する領収書等はすべてきちんと保管しておいて下さい。任意保険会社の求めに応じて提出するときには、コピーを取得しておくほうが好ましいです。

 

健康保険は使うべきか

 交通事故による受傷でも健康保険は使用可能です。
 保険会社から健康保険を使用するよう要請があるとこれに反発する被害者の方もいますが、被害者側に過失割合が見込まれる場合などにおいて、健康保険を使用しないと被害者が最終的に得られる賠償金の金額が健康保険を使用する場合に比べて少額となる可能性があります。
 ことさらに健康保険の使用を忌避する必要はないでしょう。