東京弁護士会元副会長の不祥事
東京弁護士会元副会長の松原厚弁護士が、成年後見人を務めていた千葉県に住む女性の財産およそ3900万円を、自分の口座に勝手に移すなどして、着服していた疑いが持たれているとのことです。(FNNニュース)
松原弁護士はローンの返済などのためと一部横領の事実を認めているようですが、3900万円のうち、2500万円については必要経費であったと主張し、「食費ならびに電車賃とか、わたしのつぶした時間に対する費用補填」などと述べているようです。
松原弁護士が必要経費であったと主張するもののうち、電車賃については必要経費といえるでしょうが、千葉の成年被後見人のためにそれほど多額の交通費が必要であったとは普通は考えられません。
松原弁護士の言う食費とは、まさか自分の食費のことを述べているのではないでしょうが、(そんなものが必要経費にならないのは当然です。)弁護士の後見は、身上監護ではなく財産管理が中心となるはずであって、弁護士が成年被後見人の食費を直接負担するなどということはほとんどないはずです。
「わたしのつぶした時間に対する費用補填」とは何のことを意味するのかよくわかりませんが、成年後見人の報酬は家庭裁判所で決定されるのであって、「つぶした時間に対する費用補填」などと述べて後見人が勝手に自分の懐に取り込むことは許されません。
要するに、松原弁護士が必要経費として主張しているものは、(多額のものとして発生する)必要経費とは考えられないものばかりであり、見苦しい言い訳をしているようにしか見えません。
このような弁護士の不祥事は同業者としても残念でなりません。
東京弁護士会は業務上横領罪での刑事告発も検討しているとのことですが、厳しい処罰が科されるべきでしょう。