相続に関する問題
カテゴリ: ホーム
  • 相続
  • 遺産分割のための手続
  • 遺産分割協議

     遺産分割協議とは、相続人間で遺産の分割方法について話し合うことです。遺言書が存在しない場合、遺産を分けるためには遺産分割協議が必要です。遺産分割協議には相続人の全員が参加しなければならず、一人でも相続人が欠けた遺産分割協議は無効です。
    誰が相続人となるか、法的にはどれだけの取得分があるかを認識したうえで話し合いを協議を行うことが妥当です。

     

    誰が相続人になるのか

    ● 子がいる場合は子が相続人となる。
    ● 子が死亡しており、その子がいる場合はその子が相続人となる。
    (代襲相続といいます。この場合の代襲相続は孫、ひ孫へと続きます。)
    ● 子やその代襲相続人等がいない場合は親が相続人となる。
    親がいなくて祖父母がいるときは祖父母が相続人となる。
    ● 上記による相続人が誰もいない場合は兄弟姉妹が相続人となる。
    兄弟姉妹が死亡しており、その子がいる場合はその子が相続人となる。
    ● 配偶者は常に相続人となる。

     

    誰がどれだけ遺産を取得するのか

     誰がどれだけ遺産を取得するかについて、当該相続人が納得する限りは合意で自由に決めて構いませんが、相続分については一応民法に規定があります。
    ● 子と配偶者が相続人のときは、各2分の1
    ● 直系尊属(親等)と配偶者が相続人のときは、直系尊属は3分の1、配偶者は3分の2
    ● 兄弟姉妹と配偶者が相続人のときは、兄弟姉妹は4分の1、配偶者は4分の3

     なお、法的な遺産の取得分を判断するにあたっては、特別受益や寄与分等のさらに細かい事情を考慮する必要があります。詳細は一度専門家に相談することをお勧めします。

    遺産分割調停

     相続人は家庭裁判所に遺産の分割に関して話し合いをすることを申し立てることができます。これが遺産分割調停です。調停は相手方の住居地を管轄する裁判所に申し立てます。

     調停が開始すると家庭裁判所の調停委員を介して話し合いが進められます。概ね、1か月に1回のペースで裁判所に出頭し、相続人間で話し合いを行います。話し合いは調停委員が相続人から順番にその言い分を聞くという形で行われることが通常で、原則的には相手方と顔を合わせることがないよう配慮してくれます。ただし、近時は毎回の調停終了時に当事者が立会のもと手続の進捗を確認するという運用がなされていることがありますし、調停成立時には原則として当事者全員が同席のうえ合意事項を確認します。

     調停はあくまで話し合いの場なので、話し合いで決着がつかない場合は遺産分割審判に移行し、裁判所が遺産の分割方法を決めます。

     調停で単に自分の言い分を展開するだけでは、調停委員も裁判官も相手にしてくれません。また、調停のなかには調停委員が調停成立を優先させるあまり、法的な検討や整理がおざなりになっている場合もあるようです。弁護士を代理人として、遺産分割の問題について法的観点から緻密な検討を加えつつ調停に臨むことが、自分の利益を守ることになるといえるでしょう。

    遺産分割審判

     遺産分割協議や遺産分割調停はあくまでも話し合いであるのに対して、遺産分割審判は家庭裁判所が遺産の分割方法を強制的に決めてしまう手続です。
     
     遺産分割調停が成立しなかった場合には遺産分割審判に移行します。
     もっとも、調停を申し立てて審判に移行させるのではなく、いきなり遺産分割審判を申し立てても構わないのですが、そうした場合には「付調停」といって、いったん調停での話し合いを求められることが通常です。

     審判は裁判所の法的判断が示される場ですので、事実関係、証拠関係をきちんと整理したうえで、法的主張を理路整然と展開する必要があります。「言いたいことを言いっ放し」という態度ではいけません。

     家庭裁判所の審判に不服がある場合は、高等裁判所に即時抗告をすることができます。

     

    相続トップへ戻る

    早めに相談