法律ブログ
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少額訴訟について

2016年2月26日 / 

 60万円以下の金銭を請求する場合で、原則1回の審理で即日判決の言い渡しを受けることができる訴訟手続きです。迅速な権利実現の期待が持てる点でメリットがありますが、少額訴訟だからといって立証の程度が軽減されているわけではありません。もし、いい加減な立証で敗訴して判決が確定すれば、「既判力」が生じる点は通常の訴訟と変わりがないので、後で同種の裁判上の請求をしても却下されてしまいます。
 したがって、ごく簡易な事案に限って利用すべきでしょう。

 少額訴訟の提起に対して、被告が通常訴訟への移行を求めた場合は通常訴訟で審理されることになります。また、少額訴訟の判決に対して異議を申し立てた場合、通常訴訟で審理を行うことになります。

強制執行について

2016年2月26日 / 

 判決の言い渡しが確定しても、相手が裁判所の命令に従わない(金を払わない)場合は、相手の所有する財産を強制的に徴収する必要があります。
 強制執行には不動産執行、債権執行、動産執行等がありますが、もっとも多く利用されているのが債権執行で、例えば相手が銀行に有している預金債権を差し押さえることができます。動産執行は差し押さえ禁止財産との関係で、実効性が乏しいことからあまり積極的には利用されていないようです。

示談書・和解契約書について

2016年2月26日 / 

 日本の法律では、原則として、当事者の合意のみで、契約・示談は有効に成立します。
 ですから、当事者間での合意成立をもって、当該合意に基づき権利義務が発生することになります。
 もっとも、口頭の合意だけでは、後日紛争になった場合に当該合意が成立したことを証明することはできません。
 そこで、合意の内容を明確にして書面にしておくために作成されるのが示談書・契約書です。

 示談書・和解契約書を作成するにあたって、決められた様式というのはありませんが、記載内容如何によっては、合意の内容について疑義を生むことになり、さらにはかえって紛争を誘発することにもなりかねません。
 したがって、特に複雑な内容を含む示談書・和解契約書を作成する際には専門家の助言を得るなどして細心の注意を払う必要があります。

悪質リフォーム工事

2016年2月25日 / 

 悪質リフォーム工事とは、主に判断能力の乏しい高齢者等を対象として、訪問販売によって執拗な勧誘を行ったうえ、不安を煽る言動や虚偽の説明によって客観的に必要のないリフォーム工事契約を締結させることを特徴とする商法です。
 昔からある典型的な悪質商法といってよく、香川県内でも被害事例は多々あります。
 悪質業者に対する対応として、契約関係を解消することにより、代金の返還を求める、又は、未払い金の支払いを拒むというものが考えらます。その根拠として、特定商取引法に基づくクーリング・オフ、取消し、消費者契約法による取消し、民法の意思表示規定による取消し、無効主張などが挙げられます。
 また、場合によっては、業者に対して不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求を行うことも考えられるでしょう。

マルチ商法型投資被害について

2016年3月3日 / 

 例えば、「出資で集めたお金で事業や投資で運用して月○%の運用益を配当する。」「元本保証である。」などとして出資を募る手法があります。このように多数の顧客の出資をもって事業、投資に運用し、運用益を出資者に配当する仕組みのことを集団投資スキームといいますが、集団投資スキームへの出資話のなかで、「新たな出資者の勧誘に成功した場合は、通常の配当に加えて別途紹介手数料がもらえる」という仕組みのもとマルチ商法的に勧誘をして、出資者を増やしていくという被害事例が近時増えています。
 出資の対象はまさに多種多様で、株、FX、えびの養殖、スポーツブックメーカーへのアービトラージなどいろいろありますが、実際には投資や事業はほとんど行われておらず、実体のない虚業であるという点は共通しています。
 いわゆるアリバイ作りのために、一応、出資した後の一定期間は配当が支払われますが、投資や事業による利益から支払われるのではなく、出資者の出資金がそのまま配当の支払に利用される、ポンジスキームという手法を用いています。当然のことながら必ず破綻します。

 超低金利時代の現在において、高利のうまい話はないと思っておいたほうがよいでしょう。 

適格機関投資家等特例業務とは

2016年2月25日 / 

 出資の私募または運用を行う場合、原則として、金融商品取引法上の登録が必要となります。
 ただし、適格機関投資家1名以上と適格機関投資家以外の一般投資家49名以下を相手方とする集団投資スキームの私募または運用を業として行う場合(適格機関投資家等特例業務)については登録ではなく届出で足ります。
 もっとも、これは届出を行った適格機関投資家等特例業務を行う業者について、国がまっとうな業者であることを保証したものではないことに注意が必要です。
 適格機関投資家等特例業務の制度は、いわゆるプロ同士の取引において円滑に資金調達を行うことを目的として規定されたものなのですが、現実には悪質業者が金融商品取引法上の規制を潜脱して、アマチュアである一般投資家から出資を募ることに利用され、一般投資家に多大な被害が発生する事例が多く存在していました。(いきなりパンフレットを送りつけてきたり、電話で出資を勧誘する適格機関投資家等特例業者は、まず問題ある業者といっていいです。)

 このような問題があったことから、平成27年の金融商品取引法の改正により、適格機関投資家等特例業者がアマチュアである一般人に出資させることはできなくなりました。
 ただ、一部悪質業者には新たな動きも見られることから、法改正によって安心するのではなく、新たに被害に遭わないように注意していくことが必要でしょう。

過払金返還請求について

2016年2月25日 / 

 過払金返還請求とは債務者が貸金業者に利息制限法の上限を超えて支払ったお金を返還してもらうことを言います。そもそも利息は利息制限法で利率の上限が定められており、
10万円未満・・・年20%まで
10万円以上100万円未満・・・年18%
100万円以上・・・年15%
となっています。
 にもかかわらず、かつて、消費者金融や商工ローンをはじめとする貸金業者は利息制限法の利率以上の金利による貸付を行ってきました。ところが、詳細は端折りますが、最高裁判所で利息制限法以上の利率による利息の受け取りが無効であると判断され、債務者は払いすぎたお金の返還をできることになったのです。

 過払金が発生するかどうかは、ケースバイケースであると言わざるを得ませんが、利息制限法以上の利息で貸し借りを7年以上繰り返していた方は過払金が発生している可能性がかなり高いでしょう。取引期間の長さや取引金額によっては数百万の過払金が見込めるケースもあります。
 過払金の消滅時効は取引終了時から10年です。

債務整理の手続

2016年2月25日 / 

 債務を整理するための手続として、①任意整理、②自己破産、③個人再生があります。
 このうち②、③が法的整理のカテゴリーに含まれ、裁判所を利用して債務を整理する方法です。