テキシアジャパンホールディングス株式会社(代表取締役:伊藤一也)の会長と称するキングこと田中正人こと銅子正人,前代表取締役の安達慶三,前取締役の安達淑恵,穂積一志ら関係者が詐欺罪の容疑で逮捕されました。
銅子正人は1000億円の海外資産を有すると称し,日本を元気にする活動をしているとして,元防衛大臣を広告塔として利用し,ど派手なファッションで食事会やライブを開催し,また,来場者に金銭を配布するなどして信用させ,元本保証で月3%の配当を支払うと謳い,不特定多数人から出資を集めていました。
また,出資を募集する際に「マネージャー」「ディレクター」等と関与者を階層付けて組織化し,勧誘者に紹介料を払う,いわゆるマルチ商法的手法を用いて口コミで出資者をねずみ算式に増加させていくといった,近年よく見られる悪質な方法を用いていたのも特徴の一つです。
当然のことながらこのような好条件の投資話が存在するわけがなく,また,そもそも1000億円の資産を有する資産家がなぜ出資を集める必要があるのか胡散臭さ満載で,運用等の実態はなく,出資金をそのまま配当に充てるいわゆるポンジスキームであることは明白です。
現在,各出資者への配当は停止しています。元岡山県警警察官で行政書士の三好輝尚が「キングの海外資産を国内に移すには時間がかかる」だとか,伊藤一也が「ワールドフレンドシップコインを上場させて出資者への返金に充てる」だとか説明をしていますが,はなっから返金するつもりはなく,あれこれ理由をつけて返済を引き延ばし,ごく少額の金銭のみを時間をかけて支払う,単なる時間稼ぎの一手法と思ったほうがいいです。
香川県内でも一定数の被害者がおり,当事務所でもすでに訴訟を提起しており,穂積一志(訴訟代理人は河原格弁護士),銅子正人,伊藤一也,鎌田栄一郎,その他テキシアジャパンの関係者(訴訟代理人は藤田和史弁護士)を被告とした民事事件が高松地裁に係属しています。
なお,穂積一志は株式会社ライフステージをめぐる投資被害の関係者で,このときは逮捕等まで至らなかったようですが,今回はそうはいきませんでした。
組織的な投資被害の加害者が刑事処分まで至ることなく,その関与者が別途新たな投資被害を発生させるというのはよくある構図ですが,テキシアジャパンの関与者が今後新たな被害を発生させることがないように全容を解明し,徹底的に処罰を求めたいところです。