経理担当の従業員が金銭を横領。どう対応すればよいか。
Q
税務調査がきっかけで、当社の経理担当の従業員が長年にわたって数千万円を横領していたことが発覚しました。従業員は横領したことを認めているものの、横領したお金は旅行や買い物、ギャンブルで浪費してしまったとのことです。これからいったいどうすればよいのでしょうか?
A
このような不正の背景の多くには、経理業務担当者が長期にわたり固定している、経理業務の管理体制が不十分といった、会社組織上の問題点を含んでいます。今後、従業員の不正を防ぐためにもこのような問題点の洗い出しと改善が必要になるでしょう。
不正を行った従業員について、業務上横領罪として刑事告訴や、横領したお金の返還を求める、あるいは損害賠償請求訴訟をすることを検討する必要があるでしょう。
なお、税務上、従業員に横領された金銭については、従業員への損害賠償請求債権があると評価され、そのままでは損金とすることができません。従業員に対し損害賠償請求訴訟を提起するなどして回収の手続を踏んだうえ回収不能の場合に、貸倒損失として損金処理する必要があります。